「歯根膜」とは
私たちに見えている歯は、硬いエナメル質に覆われた「歯冠」という部分であり、虫歯から歯を守ってくれています。
そして歯が生える方向を決めているのは、歯冠の奥の方ある歯根です。
更に、セメント質に覆われた歯根は「歯根膜」と言う繊維(せんい)に包まれており、歯を支える歯槽骨につながり、基底骨という硬いあごの骨に固定されています。
前歯の歯冠部が曲がって見えるのは、歯根が曲がっているからです。
実際に歯根の生える方向を決めているのは歯根膜です。
歯根膜の厚さは平均で0.2mmしかありません。
その薄い歯根膜が歯根を網状に取り巻き、歯槽骨に固定しています。
歯根膜に違う方向から、力を加え続けると歯が曲がっていきます。
そして歯の生えるスペースが無いと、歯根膜は歯根が曲がった状態のまま固定するしかなくなります。
歯根膜は前歯で咬んだり、歯の萌出方向に影響を与えるのが良く分かると思います。
すなわち歯をまっすぐする為には、
歯根膜に対しては垂直に力を加える必要があります。
それには前歯で咬むことが必要です。
まっすぐ咬めば、歯根膜は歯を正しい位置に修正しようとしてくれます。
必要なのは、前歯で垂直に咬むことです。
特に発育盛りのお子様には是非、歯根膜の働きを理解して頂き、日々の食事に気を付けて欲しいと思います。