「水洗式食事の弊害」
森と林の違いをご存知でしょうか?樹木が自然と生えている状態が森で、人の手が加わっているのが林です。
歯並びに例えると、おうち矯正で時間をかけて歯並びを育てていくのが森、装置を使用して歯列を広げたりするのが林と言えるかと思います。
例えて言うなら、抜歯矯正は見える所だけきれいに植えてある庭園をいうところでしょうか。
出来る限り、歯科医が手を加えず子供が本来持っている自然の力で歯列を正しく育成していくのが理想です。
その為には、歯並びの摂理を理解して環境を整えてあげる事が必要だと思います。
前にお話しした様に、歯は頬筋が内側に、舌筋が外側に押す力のバランスで並ぶ場所が決まります。
子供さんの永久歯の奥歯は、上あごは外向きに、下あごは内向きに傾斜して生える傾向があります。
外向きや内向きに萌出した歯を正常な位置に戻すのは舌と頬筋の力です。
位置異常が発症する原因は、舌と頬筋の力が足りないからです。
下あごの奥歯が内向きになる理由は、舌筋が弱く、上あごの奥歯が外向きに萌出するのは、頬筋の力がないからです。
ではどうして、舌筋が弱いのでしょうか?
それは奥歯でしっかり咬んでいなかった事が原因です。
食事の時に、良く咬まないで、食べた物を水分で流し込む水洗式の食事をしていたからと考えられます。
食卓には、飲み物を置かず、水洗式でなく、自分の歯で良く咬んで飲み込む事が大切なのです。